アニメで夜もすがら

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「第10回 81オーディション」の優秀賞取り消しについて

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 去る8月3日「第10回 81オーディション」が開催されました。声優プロダクションの81プロデュースが主催する公開オーディション企画で、過去には、原紗友里斉藤壮馬江口拓也高橋李依上田麗奈といった方々が受賞しています。

 今回は、過去最多となる2828人の応募があり、最終審査には25人が参加しました。そして15歳のSさんがグランプリに相当する優秀賞に選ばれて幕を閉じました。当日の様子はインターネットでも中継され、「月刊デビュー」などのニュースサイトでも報じられました。

 ところが、後日になって、Sさんの受賞が取り消されることになったのです。81プロデュース公式サイトに掲載された「レポート」のページには、彼女の名前も写真もなく、小さなフォントで<当日会場で優秀賞1名を選出致しましたが、後日、該当者より規約違反の申告があり、確認・検討の結果、優秀賞該当者無しと致しました>とだけ説明がされています。また、一部のニュースサイトでも彼女の名前が削られたようです。

 実は、この件については、受賞当日より、疑問視する声がネットであがっていました。Sさんの名前が、Kという芸能事務所の公式サイトに掲載されていたからです。オーディション応募要項には、<マスコミの仕事をマネージメントするプロダクションに所属している方は不可。>とはっきりと書かれています。

 しかし、イベントでは、Sさんがミュージカルなどに出演していることにも、きちんと触れられており、決して隠していたわけではありません。結果として、不可という形になったわけですから、やはり問題があったということになるわけですが、だったらなぜ、最初に確認を取らなかったのかという話になります。Sさんは、長年子役として活動しているのですから、親御さんも契約関係には心得があったでしょうし、まして81プロデュース側は、責任をもって運営する必要があったはずです。

 当日、Sさんは、優秀賞の他に、イープラス賞、サミー賞、文化放送賞、小学館賞を受賞していました。もしも、彼女が参加していなければ、これらの賞は別の人達の手に渡っていたわけで、他人の人生にも悪い影響を与えてしまったのかもしれません。

 そもそも、応募要項の件は抜きにしても、こうした新人発掘を目的としたオーディションに、経験者が参加するのは、やはり問題でしょう。実際、Sさんは圧倒的な強さで「5冠」を得ているわけですし。


 実は、81オーディションが優秀賞を取り消すのは、今回が初めてではありません。2011年開催の第5回では、駒形友梨さんが受賞しています。ところが、やはり「レポート」のページに<今回会場にて2名の優秀賞を選出致しましたが、内1名に参加規約違反があり、受賞取消処分に致しました事をご報告致します。>とだけ説明があり、彼女の名前も写真も消えています。

 駒形友梨さんについても、規約違反の具体的な内容までは触れられてはいないのですが、理由は予想がつきます。おそらく同時に「第5回全日本アニソングランプリ」にエントリーしていたためでしょう。応募要項には<当オーディション受賞の際、他オーディションを受けている方は基本的に全てご辞退いただく事を了承いただける方。>とあるからです。

 駒形さんは、その後スペースクラフトに所属してプロとして活躍しています。Sさんも、15歳で審査員から絶賛されるほどの力量の持ち主なのですから、いずれは別の形で頭角を現してほしいものです。
 ただ、気になるのは、前にも書いた芸能事務所のページからも、彼女の名前が消されてしまっていることで、この件には、もっと根深い問題が隠されているのかもしれません。せっかくの才能が埋もれてしまわなければ良いのですが。